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YAM Yokoito Additive Manufacturing
Yokoito Additive Manufacturing
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【事例紹介】内製と外注のミックスが鍵。1000個以上のパーツ制作の裏側 | 東京大学大学院・筧研究室様

更新日:2023年2月14日


この度Yokoito Additive Manufacturing(以下YAM)では、東京大学大学院情報学環・学際情報学府にて、Material Experience Designというコンセプトをもとに研究活動を行う、筧研究室(xlab)さまの作品に使用するパーツ制作を担当させていただきました。


2021年に発表された、大変形するためのモジュールの研究"LineShaper"の後続シリーズに使用されるパーツは1000個以上。

YAMでは、うち700個のパーツを光造形3Dプリンターを使い造形させていただきました。


筧研究室の筧康明准教授「研究室でも光造形3Dプリンターを持っていたので、最初はパーツを自分たちで造形していたが、1000個以上必要となると、量が多いので力を借りたかった」と話します。


今回は、筧准教授を交え、YAMの菊池・津田と共に、700個のパーツ制作を振り返っていきます。



取材ご協力: 東京大学大学院 筧研究室(Xlab) 筧康明様

研究写真ご提供元: LineShaper: 中野太輔様、筧康明様(東京大学筧康明研究室)

聞き手: Yokoito Additive Manufacturing 菊池・津田


 

動的に形が変化するモジュールの作成・研究のために必要なパーツが大量に必要


YAM菊池:

あらためて、今回弊社で造形をさせていただいたパーツの用途をお聞かせください。


筧准教授:

筧研究室では、コンピューター・ヒューマン・インタラクションの領域の研究やメディアアートの作品制作をおこなっており、

いわゆるAR(Augmented Reality/拡張現実)のような、物理的世界に映像を重ねていくだけではなく、その”物”自体に刺激を与える・制御を与えることにより、”物”が動的に形を変化させたりするプロダクトやオブジェクト、そして色や硬さが変わっていくような材料を使ったものも作っています。

それを新しいインターフェースとして、研究を進めているんです。


今回依頼した700個のパーツは、本当に初期に実験をした"LineShaper"という研究の第2弾・第3弾に使用するものになります。


LineShaper: 中野太輔、筧康明(東京大学筧康明研究室)



筧准教授:

現在研究室では、数十センチくらいのサイズから数メートルサイズまで長さや大きさが大変形するモジュールの研究をしています。


例えばですが、スーツケースくらいのサイズから、だんだん家具スケールに形が変わり、気がつくと部屋スケールに大きさがかわっていくようなモジュールを目指しているんです。


多くのロボットは、大きさや形が限られている中で、スーツケースくらいのサイズから、部屋スケールへ...というようにオブジェクトスケールをまたがって変形していくような物ができた時に「僕たちは暮らしやコミュニケーションが可能になるだろう」と、考えるためにそのモジュールは必要になります。


今回依頼したのは、そのモジュールのパーツの一部ですね。

すごくマニアックなものを大量発注させていただきました(笑)。


▲今回ご発注いただいたパーツは、つなぎ合わせると写真内黒い帯状のようになります(こちらの写真には今回のパーツは使われておりませんが同様のものになります)


 

「使ったことのある材料だから安心」がYAMへ依頼する最初のキッカケ


YAM菊池:

今回、700個のパーツ作成のご依頼をいただきましたが、かなりの数のパーツがモジュールで使われたんですね!

3Dプリントサービスを提供している会社が多数ある中で、YAMの3Dプリントサービスを利用してみようと思ったキッカケや最終的にYAMにご依頼いただいた理由を教えてください。


筧准教授:

700個YAMさんに発注をしましたが、研究室で造形したものも合わせて最終的に1000個以上はモジュールに使用しました。


"LineShaper"のような動的に形が変わる仕組みを作るため、今回のパーツをいくつも繋ぎ合わせて巻尺を作り、モジュールに使用しています。

モーターを使うことによって、巻尺の長さを伸ばしたり縮めたりすることが可能です。


このパーツは巻尺を作るためのものなので、適切に柔らかい材料を使用する必要があります。

研究室には御社から購入した3Dプリンターがあり、その3Dプリンターをつかって巻尺となるパーツを300個ほど作っていたのですが、これでは足りないなと思い、力を貸してもらいたく外注をすることにしました。


海外含め他社での外注も検討していましたが、すでにYAMさんの3Dプリントサービスで使用している3Dプリンターと同じものを研究室で持っていて、さらに私たちがすでに300個ほど作ったものと同じ材料を発注できるということもあり、すでに手元で試したことがある材料という安心感から発注させていただきました。

▲今回ご発注いただいたパーツは巻尺を作るためのもの、最終的に写真のようになります(こちらの写真には今回のパーツは使われておりませんが同様のものになります)


 

事前の入念なチェックを繰り返し、データ通りの造形物へ


YAM津田:

最初にパーツ制作のご依頼をいただいた時、700個というボリュームだったので、「おお」と驚きました(笑)。また、納期を守るだけでなく、ハンドリングが難しい柔らかい材料を使ったパーツひとつひとつのクオリティコントロールをしていく必要があるので、私自身、緊張感を持って進められたと感じています。


納品させていただいて、造形物のクオリティはどうでしたか?


筧准教授:

クオリティも問題なかったです。納品までのコミュニケーションも細かにとっていただきました。最初は400個で追加で300個の計700個という依頼でしたが、追加対応もスムーズで助かりました。

また量産が必要になった際に依頼したいと思います。


YAM津田:

今回の700個のご依頼の場合、最大3台の3Dプリンターを同時に動かしていました。

事前に確認をせず、一気に3台を動かすのはリスクが高いと感じたので、造形データの確認やマシンの確認などを含め、量産に向けたテスト造形を何度か繰り返し、量産のイメージ作りをしてから造形を開始しました。


▲YAMのプリンティングファクトリー内


YAM津田:

また、薄肉で柔らかい素材のパーツだったので、造形後の乾燥時間の調整などを事前に繰り返し、データ通りのより歪みのない造形物に仕上げるために試行錯誤を繰り返すことができ、自分自身非常に学びの多いプロジェクトでした。


今回は本当にありがとうございました!





 

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