こんにちは!Yokoito Additive Manufacturing (YAM)広報です。
YAMでは、3Dプリンタや関連する技術の研究をする「テクニカルリサーチ」という活動を行っています。日々の業務の中で浮かんだちょっとした疑問や問題を実験・検証し、得た知見を弊社3Dプリントサービスをはじめ、すべてのAMユーザーへ還元していきます。
今回は、粉末焼結方式の3Dプリンタで製作した部品の強度実験として、棚を作ってみました。
設計とモデリング
材料は廃棄予定の板材が8枚程あったので、こちらをベースに“口”の字のような形で組み立てることにしました。側面からビスで固定する予定ですが、絶対にグラついてしまうので、赤丸の部分に補強パーツを入れようと思います。
補強部品はビスで固定する予定なので、ビスの締め付けに耐えられるように、靱性のある材料を選択する必要があります。今回は粉末焼結方式の3Dプリンタ(Formlabs Fuse 1)とPA12(Nylon 12)を使用して作成します。
棚受けや補強金具はL字のものが一般的ですが、造形時に幅をとってしまうため、ちょっとした隙間に入るように細長い設計にしています。また、今回使用するビスの下穴などもモデリングで造形しました。
組み立て|PA12のパーツは機能するのか?
先に、木材だけで棚の形状に組み立てたら、いよいよPA12のパーツをビスで固定していきます。
締結部分の3Dパーツの厚さは2mmですが、特に割れなどは発生せず、ビスの締め付けには耐えられそうです。
また、ぐらつきの比較をしましたが、補強パーツとしてもちゃんと機能しています。
ちなみに今回は下穴もモデリングしましたが、ドリルで後加工でも綺麗に穴を開けれます。寸法などがシビアな場合は後加工もおすすめです。
おまけ
出力したモデルの後処理は、現在試験稼働中のPSC(自動ブラスト処理機)を使って粉落としをしてみました。
SLS方式の3Dプリンタの後処理は、造形後に未焼結のパウダーの砂漠から造形物を取り出すデパウダーの作業と、その後未焼結のパウダーを取り除くクリーニングなどの工程があります。
写真はデパウダー作業が終わった造形物と、クリーニング後の造形物です。デパウダーだけだと、細かい部分にまだパウダーが残っているのがわかります。15分程クリーニングすると残っていたパウダーの大部分が除去されます。
まとめ
今回は、ビスでの締め付けにPA12がどれほど耐えるか、をポイントに、粉末焼結方式の3DプリンタとPA12を使用して、棚を製作してみました。結果PA12の3Dパーツが、割れや問題なくビスの締め付けに十分に耐えられることを確認しました。
今回はSLS方式の3Dプリンタを使用しましたが、光造形方式の3Dプリンタでも、また次回実験してみます。
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